★検察官に不当な公訴の取り下げを要請し、禰屋町子さんの無罪判決を求める決議

2023年1月22日 岡山市内において開催された全国決起集会で採択された決議文

岡山・倉敷民主商工会(民商)の事務局員・禰屋町子さんは、会員の確定申告のサポートをしたことが、法人税法違反ほう助と税理士法違反として起訴され、428日間も不当に拘留され、2014年1月21日の事件発生から9年を超えるたたかいを強いられています。事件は、消費税増税に反対し、納税者の権利を守り、強権的な税務調査や徴税強化に反対する民商の弱体化を狙った「弾圧」です。

 2018112日、広島高裁岡山支部は一審判決を破棄・差し戻しにし、裁判のやり直しを言い渡しました。それから5年もの時間を費やしながら、まともな立証計画を立てられなかったにもかかわらず、検察は訴因変更を請求しました。訴因を変更せざるを得ないこと自体、弾圧を目的とした起訴の不当性を示すものにほかなりません。この異常事態を解消するために、検察官に直ちに公訴を取り下げることを強く要請します。

 そもそも脱税をしたとする建設会社からも、証拠となる「たまり」が見つかっておらず、証拠だとされる売上の計上漏れなどは、計上時期のズレなどが主な原因であったことが解明されています。禰屋さんは「脱税」の手伝いもしておらず。建設会社から報酬ももらっていません。脱税ほう助は全くの冤罪です。公判に当たっては、弁護団申請の証人・証拠を十分に調べ、無罪判決を出して禰屋さんの人権を速やかに回復するよう要請します。

 申告納税制度の下、国民自らが申告して税金を納めるために、教え合い学び合う活動は憲法が保障するものです。民商事務局員が会員の税務申告をサポートすることは、税理士法に違反するものではありません。しかし、倉敷民商弾圧事件では税理士法を悪用し、「課税の適正は損なわれていない」と認めながら、事務局長の小原淳さんと事務局次長の須増和悦さんを有罪としました。事件とは関係のない会員名簿や資料の押収、警察による民商会員の退会工作も行われるなど、税務行政の是正を求め消費税率引き上げに反対する民商の弾圧が真相でした。

 いま岸田政権は、憲法違反の敵基地攻撃を掲げ、軍事費を2倍にするために「防衛増税」に突き進んでいます。この動きと軌を一にして、123日開会の通常国会で「税務相談停止命令制度」の創設を狙っています。税理士でない者の税務相談を、懲罰をもって停止できるものであり、自主申告運動に国家権力が介入する弾圧立法になりかねません。税の使い方や集め方に異議を唱える集会や宣伝などを取り締まるために恣意的に運用される恐れがあります。

 小原・須増裁判の二審判決が、申告納税制度は憲法上の要請からも十分に尊重されるべきであり、税理士法は納税者同士の相互協力を規制対象としていないと認定した通り、自主申告運動は国の主権者である納税者の権利です。財務省も「判例は尊重したい」と答えています。この間の運動の成果を確信に、禰屋裁判を勝利させることがいよいよ重要となっています。

 岡山地裁が、禰屋さんの主張・立証も十分に認める審理を行い、憲法を実現する公正な判断をするよう重ねて要請します。本集会の成功を力に、禰屋さんの勝利をめざし支援を強化することを表明し、ここに決議します。